BtoB ECにおける導入前・導入後の注意点

Posted by bruu hacks 編集部 on 2020/05/11 17:45:10

BtoB ECの導入には、「業務の効率化を図りたい」、「新規顧客を獲得したい」、「事業の成長スピードを向上させたい」などの目的があると思います。それぞれ重要な目的と言えますが、「BtoB ECを導入すればすべて解決する」というものではないことに注意しなければなりません。BtoB ECはひとつのインフラでしかなく、そこに会社の強みを吹き込むのは、ECサイトを実際に運用する企業です。

 

BtoB EC導入時における既存業務との注意点

 

これまでの電話やFAXによる受発注、それに関わる経理や販売管理、在庫管理、基幹業務システムとの連携など、すべてを含めて「BtoB EC」への対応が求められます。システムの入れ替えを意味するのではなく、「BtoB EC」に合わせて、一部の既存業務やシステムを見直す必要があるということです。

 

業務フローの見直しと変更

 

例えば、既存の業務でいえば、現在の業務フローや使われているPCシステムの枠組みのなかに「BtoB EC」を置くのではなく、「BtoB EC」が受発注の入口になることに合わせて、業務フローやシステムをそれに適合するように見直す、という考え方が求められます。既存の業務フローやシステムを優先してしまうと、「BtoB EC」のカスタマイズ費がかさむなど、コスト上の弊害だけでなく、運用が複雑になったり、中間処理の業務がかえって増えてしまったりするなど、本末転倒の事態になるケースもありえます。

 

業務フローの変更に合わせた体制の見直し

 

インプレス総合研究所の調査結果「BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020」によると、「BtoB EC」導入の事前準備や、導入と同時に取り組んだこととして、「業務フローの変更」「基幹システムの改修」「物流システムの再構築や再編」が上位3つに挙がっています。「BtoB EC」の導入に合わせて、これらの活動は必須になると考えておくべきでしょう。

さらに、業務フローやそのシステムだけでなく、責任や管理体制の変更、権限や予算の異動なども必要になります。「BtoB EC」のチーム活動に支障がないように自由裁量を認めることが、EC化の効果を高めることになります。体質の古い企業は、トップや上層部に「営業は足で稼ぐ」のような価値観がまだ強いこともあり、EC化が思うように進まず、中途半端になってしまうケースもあります。これを避けるには、以下のような取り組みも合わせて実施していく必要があります。

  • 管理上の変更
    伝票による運営を限定あるいは全廃にし、データによる処理を中心にする。それに合わせた人員の再配置や管理・運営組織の変更を図る。
  • 営業体制や方法の見直し
    ルート営業の人員を減らし、新規営業へ異動させるなどの最適配置を実施し、ECにより効率化されたリソースを顧客開拓などの事業拡大に向けて再配置する。それに合わせて、中長期の事業戦略の見直しを進め、より積極的な拡大路線に力を入れる。

 

「BtoB EC」へ業務がシフトすることで、倉庫や運送業務などのロジスティックスに課題が生じる場合は、既存のパートナーに対応してもらうのはもちろん、思い切って業者を変更してしまうなども検討しなければなりません。

 

BtoB EC導入時の社内調整、準備における注意点

 

日々の業務においては、「やり慣れた方法」を継続させがちです。そのほうがミスも少なく、覚えなおす手間がかからないからです。そういう企業風土が強い会社では、「BtoB EC」のような「業務フローの見直し・改革」を前提としたシステムを導入するとなると、改革についての努力も必要になります。その結果により得られる効果は、それだけ大きなものが期待できるからです。

 

トップダウンによるコンセンサスの重要性

 

トラブルを回避し、スムーズなEC化への移行を実現させるためには、まず社内コンセンサスを得ることが重要です。事前に充分に説明したとしても、どこかで新しい課題が生じる場合もあります。このような場合に大切なのは、やはりトップダウンによる推進です。BtoB ECの推進担当者はトップにしっかりと説明を行い、十分な理解とともに、協力を得られるような運び方が求められます。

研修やマニュアルを整備する

 

意識の統一に続いて重要なのが、運営のECへのスムーズな移行です。そのためには、「誰もがBtoB ECを受け入れられる環境」が求められます。その下支えとなるのが、操作や運営に関するマニュアルの配備です。PCやインターネットのスキルは、個人により千差万別です。導入にもっとも習熟が必要なスタッフのレベルに合わせて、わかりやすく解説することが大切です。また、ヘルプダイヤルを用意し、マニュアルを見ても理解できない箇所、未知のトラブル・質問などにも対応できる体制を整えておきます。もちろん、情報を一方的に伝えるのではなく、研修などの実地での体験や質疑応答を経たほうが、その後の自主的な学習も期待できるようになります。

コンサルタントの支援も検討する

 

業務のEC化に合わせた再構築、社員への教育指導など、「社内のスタッフだけでは力不足」または「要員が足りない」という場合は、外部コンサルタントに導入部分の支援を依頼する方法もあります。無理をしてすべてを社内で行った結果、ECの構築や業務の移行が不完全になったり、移行が遅れたりするのを減らすためにも、外部の力を借りるべきところは借りて、短期で企画・構築・立ち上げを行ってしまったほうが、コスト的にも事業的にも、プラス効果は高くなります。

<一緒に見ておきたい記事>企業間取引のEC化、BtoB ECの始め方とそのポイント

 

BtoB ECの導入による顧客との関係、マーケティングでの注意点

 

冒頭でもお伝えしたとおり、BtoB ECには「新規顧客を獲得したい」という目的もあるはずです。確かに、インターネットにECサイトが公開されれば、ネットを介して世界中の誰とでもつながる環境は得られます。しかし、気づいてもらえなければ、販売にはつながりません。個人のSNSまでがアップされているインターネットの世界では、積極的なマーケティング活動が求められるのです。

 

まずは既存の取引先に認識してもらう

 

もしこれから既存の取引先にECサイトでの注文へ切り替えてもらう場合、どんなものなのかを適切に知ってもらうことが重要です。インプレス総合研究所の調査結果「BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020」によると、導入時にハードルになったこととして、「顧客の理解や顧客への説明」が第2位に挙げられています。ECサイトをオープンしても、従来どおり電話やFAX、あるいは対面でのルート営業を求める取引先は多いと想定されます。移行期間に余裕を持って告知とお願いを行い、ECサイトの利用に関して全面的な協力を得ることが大切です。

そのためには工夫も必要です。以下のような活動や体制が例として挙げられます。

  • ECサイトで購入した場合は、しばらく取引価格を割引する、などの特典を用意する
  • 使い方マニュアルをWeb上にアップしたり、直接配布したりして、使い方の質問にも応じられる体制を敷く。
  • ECサイトを構築してから説明するのではなく、事前に告知し、顧客の業務に支障が生じないようにする。
  • 電話、FAXしか使えない顧客のためにも、既存のチャネルは残す、移行期間を設定してECの利用を支援する、などの活動が必要。

 

Webマーケティングを強化する

受発注の仕組みを「BtoB EC」で効率化させ、販売の窓口としてネット上ならば無限とも言える販売機会の可能性を得たとします。続いては、そのインフラをより積極的に活用することです。具体的には、Webマーケティング活動で自社ECサイトの利用者や来訪者、認知者を増やすことです。その施策としては、次のようものが代表的です。

  • 自社のWebページからECサイトへの接続画面
  • メールによる新商材やキャンペーンの告知など
  • ネット広告などへの出稿による間口の拡大
  • 新規営業が持参する営業資料にメリットを掲載し、説明と試用を促進

こういったネットならではマーケティング活動を地道に行うことが、BtoB ECの真価を得る方法であり、導入のメリットでもあるのです。

 

まとめ:「BtoB EC」の導入に合わせた社内業務の改革も

EC導入に合わせた業務の見直し、お客様との関係の再構築は、業務課題の発見やその改革という位置づけで、積極的に活用するべきです。事業は効率化させただけでは拡大しません。効果的なマーケティングが必要です。「BtoB EC」は、これまでのような人と人との対面営業やダイレクトメールとは異なる、新しい機会を創出します。それが「BtoB EC」の真価でもあるのです。

 

参考:

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