BtoB ECの導入を確実に進めるための稟議書の書き方とは?

Posted by bruu hacks 編集部 on 2020/07/01 16:44:28

デジタル化が加速していく昨今、企業にとって新しい事業の立ち上げやシステムの導入で避けて通れないのが社内稟議です。重要な案件で、時間が差し迫っているときほど、再稟議や稟議の遅れにストレスがたまるものです。今回は、稟議書を作成するときのコツと、BtoB ECという最新のITシステムを導入する際の注意点、表現のポイントについてご説明いたします。

稟議書の意味・再認識

すでに稟議書を書いた経験があり、十分に理解しているという方も多いと思いますが、もういちど「稟議書の意義や役割」について考えてみましょう。

稟議書とは?決裁との違いは?

まずは、基本的な事項として、「稟議」と「決裁」の違いをおさらいしておきましょう。

「稟議」とは、会社の予算を使って物品を購入したり、新規に事業を興したりするときに、上長や責任者といった「複数の人」に対して申請し承認を得ることを意味します。

一方、「決裁」は、直属の上司や会社の代表者といった「1人の人物」に対して承認を仰ぐことを意味します。日常的に発生する軽微な出費の承認や、従業員が数名の企業で「社長がすべての権限を持っている」という場合は「決裁」に当てはまります。

会社規模に関わらず、営業・総務・経理など、専門の部署に決裁者が分かれている場合は「稟議」となります。稟議における注意点は、「複数の人」に対して承認をお願いする、というところです。

例えば、所属する部署では日常的に使っている用語であっても、部署が変わると意味が伝わらない……などの問題が生じます。業界では導入するのが常識的な機器であっても、お金の管理をする部署では「費用に応じた価値があるのか?」をすぐに判断できないケースもあります。すべての人が理解できる表現・内容であることが、稟議書では重要なポイントとなります。

稟議書の本来の役割

複数の人から承認を得る稟議は、手間と時間がかかるものですが、次のようなメリットがあることを理解しておくと、稟議書を作成するときの参考になります。

複数の目を通すことで、不正やミス、発注の重複などを防ぐ

不要不急の出費など、無駄を抑制でき、価値のないモノへの間違った投資を防ぐ

関係者が稟議書を見ることで「情報共有」や「意思の統一」(合意形成)が図れる

このように、稟議には3つのメリットがあります。特に3番目のメリットは、「そんなことは聞いていない」とか、「許可できない」といった、話が進んだ後に現れる「反対者」を事前に少なくしておく意味合いも兼ねています。

 

一般的な稟議書の書き方(注意点とポイント)

続いては、稟議書の書き方について見てみましょう。理屈はわかっていても、説明不足などが原因で再提出になってしまった、という経験がある方も少なくないでしょう。承認されやすい稟議書の書き方について考えていきます。

稟議書作成から承認までの主な流れ

  1. 申請者が稟議書を作成
  2. 稟議書の番号を取得
  3. 稟議書を役職順に回覧

稟議書作成の基本事項

一般的な稟議書の記載事項としては、次のようなものが挙げられます。

  • 件名
    稟議書のタイトルに相当します。この一文だけでも、大方の意味が伝わるような簡潔な内容が望ましいといえます。例えば「(目的:業務負荷低減)のための、(手段:BtoB EC導入)について」といったようにシンプルにまとめましょう。
  • 申請対象
    何に対する、どのような申請になるか、を簡潔に記述します。
  • 申請の目的・意義
    その申請により、目指すものや効果を記述します。
  • 結果のメリットや利益
    導入により、「会社や顧客にどのようなメリットがあるか」を表現します。
  • 承認されない場合、「どのようなデメリットを会社が被るか」をわかりやすく記述
    導入をすすめるにあたって、課題を設定されているかと思います。導入を進めない場合にその課題が抱えている将来的なリスクも具体的に示しておきましょう。

ここまでは、一般的によく知られている稟議書の記載内容ですが、次のような内容も加えておくと、より説得力が高まり、「申請事項の必要度」を強調できると考えられます。

 

全員の「Yes」には、工夫が必要

稟議では、関係部署の決裁者が「専門家の立場」で判断を下すことになります。それぞれの決裁者の重視するポイントを探り、そこに配慮した稟議書の書き方、稟議の回し方が、テクニックのひとつになります。そして、万が一、稟議書が再提出になったときは、「何が問題だったのか?」のフィードバックをきちんと受取り、確認すべき点や修正すべき点について決裁者との間に誤解が生まれないよう注意しましょう。

 

BtoB ECを導入する際の稟議書(確実に導入を進めるためのポイント)

次は、「BtoB EC」を導入するときの稟議書の作成ポイントについて紹介します。なぜ、わざわざお伝えするのかというと、「BtoB EC」のような新しいITシステムについて、決裁者の理解をスムーズにするためです。

BtoB ECの導入に関する稟議書、書き方の基本

BtoB ECに限った話ではありませんが、次の4つを漏れなく満たすことが大切です。なかでも以下の「BtoB EC導入と実行の目的」は重要です。

  • BtoB EC導入と実行の目的
    社内の業務負荷を抑えるため、新規顧客の開拓を進めるため、あるいは顧客や従業員などのステークホルダーの満足度を高めるためなどの主旨を記述します。
  • サービスの概要(選択した理由)
    上記を具体的に実現する「機能」や「利便性」にそってサービス内容をわかりやすく伝えます。
  • 実行された場合の予想されるリターン
    プロセスの効率化による「配送の遅れの削減率」、顧客満足度の向上による「リピート率の向上」などについて、想定で算出したものを示し、その結果としての「売上見込み」などを検討します。
  • 導入・運用費用
    導入コストと運用コストを記載します。

さらに、ライバル企業はすでに導入しているといった外的要因がわかっている場合には、見送ることは会社の競争力に大きなデメリットが生じる、とも説明しておきたいところです。

BtoB ECの導入で、伝えるべき具体的なポイントは?

さらに具体的な説明として、次のポイントを記載できると、より効果的な稟議書になります。

  • 顧客満足度向上
    Web受注市場が拡大している背景の説明とともに、24時間いつでも注文でき、履歴の管理が容易になる。手作業で生まれるタイムラグの削減効果として、配送の迅速化など。従業員についても、電話やFAXの受け答え、その起票や端末への入力、在庫確認といった作業を削減でき、効率化と生産性の向上につながる。
  • 市場・競合他社の状況
    市場におけるEC導入率、未導入の場合に生じる収益推移の差。競合他社より優位にアプローチできる顧客層や商品展開を提示することによってECという販売チャネルの役割を明確にする。
  • 受発注業務の課題解決
    受注のデジタル化、顧客ごとの単価・決済のスムーズな対応、深夜でも見積書の自動作成や受注を受け付けられる環境を整えられる。
  • 販路拡大における課題解決
    実店舗やルート営業以外の販路としてECが物理的な距離と時間の問題を克服し、新規顧客の獲得機会を増やす。
  • 導入による直接的なコスト削減効果(受注業務、帳票作成・管理、在庫管理など)を、なるべく具体的な数字(時間・金額)で効果予測を示す。このとき、導入費用の提示は決裁者の注目度が高いため、月額の費用感、年額の試算値だけでなく、従来のアナログ的な処理方法との差などを数値で示し、導入コストに対する業務全体への効果の見通しを示すことが大切です。

さらに同業他社の導入事例として、「どのような会社がどのようなWebサイトを運営しているか」を示すのも効果的です。

経営者に対しては、将来的なプランとして、ECをベースに開拓できる「新しい顧客層」や「拡大できるエリア、分野」、「新規の事業」などの可能性を示すことで、有用なツールであることを強調できます。


まとめ:「会社にとって良い物」が理解されるのは意外と難しい

稟議書を作成し、新しいシステムの導入などを推進する担当者と、それを承認する立場の人とでは、「見るところ」や「重視する点」が異なる場合が多いものです。その違いを理解したうえで、それぞれの立場でメリットが伝わる稟議書を作成するのがポイントになります。決裁者に正しく理解してもらい、合意のうえで稟議を通過することができれば、導入準備や導入後の運営においても、積極的な協力を継続的に得ることができます。

参考:

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Tags: BtoB ECとは BtoB EC導入前