BtoB ECの市場規模は拡大の一途、その市場動向と形態、特徴は?

Posted by bruu hacks 編集部 on 2020/05/11 18:35:40

BtoBのEC市場は拡大を続けています。では、ECの利用方法として、どのような形態があるのでしょうか。また、 BtoBにおいてECを利用することで何が変わるのでしょうか。今回は、BtoBにおけるECの形態、国内の市場規模と世界の動向、ECの特徴についてご紹介します。

 

BtoB EC市場が拡大している理由

年々拡大しているBtoB EC市場。BtoBでECが普及し始めたのはいつ頃からでしょうか。ECの歩みと、なぜBtoBでもEC化が進んでいるのかを見ていきましょう。

 

ECの歩み

 

「EC」という言葉を目にしたとき、Amazonや楽天市場のようなBtoCのECサイトを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。こういったECサイトは、PCが普及し、インターネット利用者が劇的に急増した1996年ごろから続々と誕生しました。

1996年に楽天市場がスタート、1999年にはYahoo!ショッピングとYahoo!オークション(現ヤフオク!)、2000年にはAmazonが書籍ECサイトとしてオープンしました。Amazonは翌年にAmazonマーケットプレイスとして出店型のECサイトもオープンさせています。

2007年にiPhoneが登場したことにより、ECはさらに飛躍します。誰もが、どこからでも、すぐにECサイトに接続できるスマートフォン時代が幕を開け、さらにSNSの普及がマーケティングのあり方を変えました。

2013年にはYahoo!ショッピングの出店料金が無料になり、誰でもECで出店できるようになります。また、フリマアプリも次々と誕生し、BtoCだけでなくCtoCもECの時代を迎えるようになりました。

このようにECは1990年代から広まったと考えられがちですが、BtoBにおいては、これよりも前から通信網を利用した取引が行われてきました。しかし、それは電話回線を使った受発注や請求を行うEDIという仕組みであり、今のようなインターネットを介した売買、ECサイトでの販売とは異なるものです。

BtoBのECサイトは、BtoCのEC市場が十分に拡大したあと、それに追従するような形で拡大しました。従来の商習慣による取引が色濃く残るなか、BtoCのECサイトが目を背けることのできないほど拡大することで、BtoBにもECサイトでの販売が波及していったのです。

 

BtoBでECを始める理由

 

BtoBでもECが普及していった背景には、どのような理由、メリットがあったのでしょうか。それには次のような理由が考えられます。

  • 競合他社の動向を意識
    競合としてベンチマークしている他社がECを開始し、成果を上げている様子が見えたことで、自社でもECを開始するというケースは珍しくありません。早期にオープンしなければインターネットのなかで埋もれてしまう可能性が高いこともあり、「他社より早く」と考え、ECを始める企業も多いと思われます。
  • 取引先からECを求められた
    取引先から「ネットで注文できないか」と問い合わせを受け、それをきっかけにECを始めるケースです。「他社ではネットで注文できる」と言われて始めるケースもあります。
  • IT改革への取り組み
    事業の継続と維持を考えたとき、ITは無視することができない時代になっています。そのスタートとしてECに取り組む企業も少なくありません。
  • BtoBの新規事業立ち上げ
    企業が新規事業を立ち上げるときに、「ECを軸として構築したい」という場合もあります。これからのビジネスは、ECが主流になると見越して踏み切るケースになります。
  • BtoCからBtoBへの展開
    これまでBtoCのECで成果を上げた企業が、BtoBにもECで展開するケースです。ECのノウハウは持っているものの販路は持っておらず、当然ながらECを選択することになります。

 

BtoBにECを導入するメリット

 

このように、BtoB ECに事業展開する理由は企業によってさまざまです。では、どのようなメリットを見いだしてECを始めているのでしょうか? BtoBをEC化するメリットとしては次のようなものが挙げられます。

  • 業務の負荷軽減
    ECでの受発注は、それまで担当者が手作業で行っていた負荷を大きく軽減してくれます。フォームから注文できるシステムを導入していれば、多くの部分を自動化できます。
  • ミス防止
    同時にミスも軽減されます。自動化や自動計算により、ヒューマンエラーが発生する可能性のある箇所は確実に減ります。ミスによる時間の損失、金銭的損失が削減されます。
  • 問い合わせ対応の削減
    ECサイトに情報を多く掲載しているほど、顧客は問い合わせをすることなく、知りたい情報を自分で手に入れることができます。これにより「問い合わせ対応」を大きく削減できます。また、メールでの問い合わせにすることで時間的制限をなくし、対応する担当者を少人数にすることもできます。
  • 新規顧客の開拓
    ECサイトでは販売形式をインターネット上で見せられるため、営業力に上乗せできるソースが増え、新規顧客に訴求できます。また、多くの商品を同時に見せることができます。インターネット検索からの問い合わせが取引に結びつく可能性もあります。

 

成長を続けるBtoB ECの市場動向

 

BtoBにおいてもECの導入はメリットが多く、今では多くの企業が導入または検討しています。では、具体的に国内のEC市場はどのような動向になっているのでしょうか。

国内におけるEC市場の動向は、経済産業省が公開した「平成30年 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」などで学ぶことができます。

BtoCのEC市場は2010年の7.7兆円から急速な拡大を続け、2014年には12.7兆円、2018年には17.9兆円に達し、順調な伸びを見せています。しかし、市場規模は順調に拡大しているものの、EC化率は徐々に鈍化している様子が見えます。これは、ECの普及が行きわたり、落ち着きを見せてきたことが理由として考えられます。

一方で、BtoBのEC市場に目を向けると、非常に大きなマーケットとして成長していると同時に、EC化率の上昇も見られます。2014年に279.9兆円だった市場規模は、4年連続で成長を続け2018年には344.2兆円に達しています。これは前年比8.1%増となり、まだまだ成長する兆しを見ることができます。EC化率は年間1%ほどの増加を続け、2014年の26.5%から2018年には30.2%にまで増加しています。

ただし、このEC化率のなかにはEDIが多く含まれているため、ECサイトを通じての取引が30%ある訳ではありません。

EDIに最も多く使われているネットワークはINSという通信サービスで、2024年に廃止が決定されています。5Gの普及、国によるデジタル・トランスフォーメーションの推進など、デジタル化の動きは加速しています。こういった理由から、ECサイトでの取引が増加していくと予想されます。

 

BtoB ECの形態と特徴

 

BtoBにおけるECの形態は、「顧客との取引のみをEC化する方法」と「インターネットサイトを利用して対外的に広く販売する方法」があります。顧客との取引のみをEC化した場合、先述のメリットのうち半分は有効ですが、販促の自動化や新規開拓といった効果は望めません。

また、インターネットサイトを利用したECは、「自社EC」と「モール型EC」のふたつに分けられます。自社ECは自社で運営するECサイトによって販売する形式です。一方、複数のショップが集合し、ひとつの大きなショッピングモールを形成しているのがモール型ECです。

自社ECは出店料や利用料といった手数料が必要ないため、利益率は大きくなります。また、サイトを自由にデザインできるため、独自のテイストを出すことができます。これによりECサイトをブランディング化し、リピート率の向上を狙うことができます。しかし、集客・販売の仕組みを自社で構築しなければならず、ブランディングにも時間がかかるため、成果に結びつけるには長期的な視点が必要になります。

モール型ECは、すでに販売システムが用意されているため、EC初心者でも短い準備期間で始められます。購入者が会員登録や配達先を入力する際にも信頼度が高く、同時にブランド力もあります。ECサイトにとって重要なSEOも有利な面があり、知名度が高いことから「まずはそこで探してみよう」という層が多いことも大きなメリットといえます。

こういったモール型ECはBtoCだけのものと考えられがちですが、BtoBにも広まりつつあります。国内では、アスクル、モノタロウはBtoBのモール型ECの代表的な例です。AmazonもBtoB向けのモール型EC事業をスタートしています。

世界に目を向けてみても、すでにBtoBモール型EC市場は加速的に拡大しています。インドの調査会社The Smarketers社がまとめた調査によると、アメリカ国内のBtoBマーケットプレイスECの市場規模は、2020年までに1兆ドルを超えると予測されています。マーケットプレイスECはモール型ECの一形態であり、モール型EC全体ではさらに大きな規模となります。

そのほか、購買担当者の81%が「高額商品の購入前にオンライン調査を行っている」というアンケート結果もあります。このような動きは、間もなく日本にも押し寄せてくると考えられます。

これらのデータから考えると、企業はモール型ECを利用しながら、自社サイトでのECも始めると、成功に結びつくのではないでしょうか。モール型ECによってより広い新規開拓を行い、それをきっかけにコンタクトをとってもらうことが狙えます。それと同時に、自社ECに顧客を固定化し、より利幅の大きい自社ECでの販売を増やしていくのが得策です。

自社ECとモール型EC、それぞれのメリットを組み合わせつつ、EC化の波に乗っていく必要があります。

 

まとめ:BtoBのECが「当たり前」になる時代はすぐ目の前に

 

今回は、BtoBにおけるECの市場動向、これから企業がとっていくべきEC化の手法について紹介しました。国内のBtoBにおいてもEC化率は伸び続け、古くからあるEDIも含めるとすでに30%を超えています。今後は、さらにインターネットサイトを介したECは重要度を増すと予想され、BtoBのECが「当たり前」になる時代が迫っています。ECのメリットを十分に考慮したうえで、ECの導入または運用方法の見直しを検討してみてはいかがでしょうか。

 

参考:

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